シングルマザーの心得~全部一人で引き受ける

シングルマザーの心得

シングルマザーとして子育てをする中で、私が一番辛かったことは
「私と同じ目線で息子の事を思う人は他にはいない」という事実。

私の身内を始め夫の両親、近所のママ友や親しい方達は、夫が亡くなって以降、私たち親子の事を親身になって考えてくれ、助けてくれた。

でも、私と同じ目線で、つまり親として息子の事を愛おしく思い、成長を見守り、どうすることが息子にとって一番良いか考えたり、時にたわいもない事で悩んだり、病気で熱を出せば心配したりと親として息子の事を思い、考え、行動できるのは唯、私一人だけという事が一番辛く苦しかった。

他人が聞いたら「どうでもよい」と思えるような事でも親にとっては一大事
一人で息子を育てる中ではそんな出来事はいくつもいくつもあった。

息子が成長していく中で例えば、ハイハイ、つかまり立ち、歩く、言葉、卒乳、トイレトレーニング、などそれらどれをとっても特別に苦労をした覚えはない。
早くもないが遅くもないといった感じで普通に成長していった。

ところが、小学校に上がってからの文字の読み・書きには本当に本当に苦労した。
平仮名なんてわざわざ教えなくても、読み始めればすぐに自然に読めるようになるもの。
そう思っていたし、姉からもそう言われ5歳~6歳頃つまり小学校入学前は特別教えるようなことは何もしなかった。
「り」「い」「し」の3つくらい読める平仮名ができた頃、その文字を見つけると指さして読むようになったが、その期間がずっと続いた・・・
読めるようになる文字がちっとも増えていかない。いつまでも「り」と「い」と「し」しか読めない。
近所の友達と毎日元気に遊ぶのでそれが一番、と何も無理強いすることなく日々は過ぎていった。小学校入学時点で、どのくらいまで読めていたか記憶はないが
5月頃の家庭訪問で担任の先生から読み書きに問題がある、とズバリ指摘された
しかも、全体的な発達には遅れがないのに、文字の読み書きに限定した困難がある場合、それは脳機能の発達の問題だというような説明まで受け「お家でも気にかけて様子を見てください」と言われた。
まさか、小学校1年生の家庭訪問でそんなことを言われるとは!
そんなことあるわけない!・・・でもそうだったらどうしよう・・・
その頃、書き取りの宿題に時間がかかることで、文字を書く事が苦手なことは分かっていた。
「ね」と「れ」と「よ」は特に苦手で、ノートの半ページに「ね」を書く日はもの凄く時間がかかった。
縦の棒を引っ張ってはため息をつき、もう宿題やりたくないアピールは毎日続いていた。

そこに先生からの指摘で不安は募り、夏休みに通信教育のチャレンジ1年生を始めることにした。その夏私は息子と凄く、いや、ものすごお~く、頑張った。

絵本は毎晩読んだ、ウォーリーを探せも毎晩やった、それなのに、なぜっ?

お題は「きゅうきゅうしゃ」とか「きんぎょばち」とか「しょうぼうしょ」とか
濁点と拗音(小さい平仮名)が混ざったものを書く練習だ。
拗音は四角のスペースの右上四分の一あたりに小さく書くとか、濁点をつける位置とか、そんなことを私は息子に一生懸命に教え夏休みの毎日の日課とした。

「ホントになんでこんなことわかんないのおっ?」と言いたいくらいだった。

怒っては息子がやる気を失う。我慢、我慢。穏やかに、優しく、楽しくだ。
自分に言い聞かせる。

「きゅうきゅうしゃ」ってマス目に書くよ。
でもこの文字を見た息子は「うわぁ、めんどくせ~っ、苦手なやつ」って思ってることがひしひしと伝わってくる。
「きゅうきゅうしゃ」と書くのに、10分くらいかかる。
「ゆ」や「や」が大きくなったりする→消しゴムで消す→紙がびりっと破れる→いやになる。
この繰り返し。

あまりの出来なさに私が悲しくなったり、時間がかかりすぎてイライラしたり、なんだかこの状況が面白すぎて笑えてくることもあった。

友達が遊びに来て中断したり、やりたくないと拗ねることも勿論あった。
それでもなんとか夏休みが終わるまでにチャレンジ1年生の夏の特大号を一冊やり終えた。
もの凄い達成感だった。
大して進歩はしなかったが、流石に発達の障害ではないよねと、安心できたことだけは私には収穫だった。

息子はチャレンジ1年生を続けたいと言ったが、私は正直もう、くったくただった。
自分一人でやれるようになったらね・・・そんなふうに答えてチャレンジの定期購読はしなかった。
だが、息子は「チャレンジ」を気に入って、小学4年生から高校3年生まで通信教育の講座で勉強をした。

思い返せばこんな時だ。
なかなか字が読めるようにならない時。担任の先生に障害かもしれないと言われた時。苦手な読み・書きを息子に教える時。
そんな時夫がいてくれたら私はどれほど心強く気が楽だったか分からない。

シングルマザーの心得とは
子供に何があっても全部一人で受け止める、全部一人で引き受ける。全部一人で乗り越える。

助けてくれる人もあるかもしれないが「全部一人で」そう思っておけば間違いない。
その覚悟はシングルマザーにとって一番重要だと思う。
ムリ?大変そう?
でも大丈夫、他に選択肢がなければやるしかないから。きっと出来る♪

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