義父母の「アポなし訪問」に嫁打つ手なし⁉

嫁の気持ち、姑の気持ち

義父母は「息子夫婦の家を訪ねるのに、いちいち連絡なんか必要ない」という考え方だった。だから嫁の私は家にいてもどこか身構えていることが習慣になっていた。
いつ突然義父母が家に来るとも分からないので、きちんとしていなければならない、という意識が絶えず働いていた。
「だらしない嫁」と思われることは嫌だった。

今、当時を振り返って思えば、「きちんとしていること」を望まれていたわけでもないのに、勝手にそうしなければと思って、自分で「苦しい」と感じていたのだと気づけるが、当時まだ30代になったばかりの私は、義父母に対して「有りのままの自分」「普段通り自然体でいる自分」をさらけ出すことはできず、どうしても構えてしまうことが常だった。
頑なで真面目に頑張り過ぎていたのだと思うが、「嫁」という立場上、そうなってしまう人は多いと思う。
「良い嫁と思われたい、気に入られたい」という思いで取り繕ってしまうことが、却って、嫁・姑問題の根幹となることは、今も、私が新米の嫁だった25年くらい前もきっと同じだと思う。

前回ブログで「結婚と同時に同居」は免れた、という話を書いたが、夫と二人で暮らす「新居」といってもそこは元々は義父母が私の夫が一歳の頃に買った家であった。
ところが、そこに道路が通るため、立ち退きになるという話が出て、小学校途中での引っ越し、転校は可哀想だということで、義父母は早々に市内の別の場所にもう一軒家を建て引っ越しをした。
しかし、結局立ち退きの話しは頓挫して、家はそのまま残ることになったので、
私たちの結婚を機にリフォームされ、そこが「新居」となったのだ。

そういう事情もあり、義父母にとってみれば、息子夫婦の新居といっても、そこは「自分達の家」という意識のままであるのは仕方がないことだった。
義父母の暮らす家とは、車で20分程度の距離にあり、「あなた達はちょっと遠い『はなれ』に住んでいるようなものなんだから」、と実際義母から言われたこともあった。

だから、いつも当たり前の様に義父母は突然やって来た。
義父の車が駐車場に停まると、途端に心臓がドキドキしたものだ。
そして「アポなし訪問」は初孫の誕生によって、一層エスカレートしていった(笑)
孫可愛さから、咳が出るくらいで必要以上に心配されてしまうのには、ほとほと困った。本当にウチの息子は溺愛されていた(笑)

義父の車が停まると「心臓がドキドキする」
というのは決して大袈裟ではなくて、本当にいつまで経ってもずっとそうだった。

別に嫌味を言われたり、意地悪なことはないのだが、義父母は「とてもよく気が付く」上に息子夫婦の為なら労を厭わず「何でもやっちゃるよ」という感じであった。

リフォームしたとはいえ、築20年以上経っていたその家のあちこちが気になるようで、来るたびに家の中を見て回っては、風呂場の木が腐っている所を直した方がいい、とか引き戸の建付けが悪いから直してもらおう、とか屋根を塗り替えた方がいいとか言ってはその度毎に私をうんざりさせた(笑)

息子夫婦と大事な孫が快適に暮らせるようにと、いつも骨をおってくれた。
けれどそれは有難いことではありながら、当時の私には煩わしく思えたというのが本音だ。

「もっと私たちに任せてくれたらいいのに。やって貰わなくても必要なことは自分で何でもできるのに」
いつもそう思っていた。

けれど、自分の気持ちをちゃんと伝えることはできないままだった。
義父母は悪気はなく、良かれと思って一生懸命にやってくれている。
それが分かるから不愉快にさせないよう、傷つけないよう、我慢して本音を伝えない。
それがずっと続いた。
夫が生きている時もそうだったし、夫が早くに亡くなってから後は、ますます何も言えなかった。

でも、もっと早く、自分らしく、普通に振舞えていれば、ずっと楽だっただろうと思う。
角が立たないように、言い方だけは気を付ける。でも自分の気持ちをちゃんと伝える、そうできれば良かったなぁ、と今更ながら思う。
言わないで我慢することが増えると本当に苦しい。いつも怖い顔になってしまう・・・ぷん。
「我慢する」と結局それは相手にも伝わって、お互いが苦しくなる。もやもやが澱のように溜まって結果どこか不自然になるから。

夫の両親と最初から凄く上手くやれる人ってそういないと思う。
いるとしたら、それは「アポなし訪問」なんて絶対なくて殆ど接する機会もないケースだけだと思う(笑)
そして、お互いが本当に分かり合うには結構な年月がかかると思う。
その間はシンドい思いをするが、それはもう仕方がない。抜け道はない。
せいぜい、その「シンドい」気持ちは自分の感情だから自分自身の問題で、相手のせいではない、と心に留めておくことくらい。

ハイ、そうなんだけどホント色々疲れます、私も嫁辞めたいと何度も思った(^^;

義父は10年前に亡くなり義母も今年1月に亡くなって今、「この人が私の姑さんで本当に良かった。また逢いたいからって、早く呼びに来んといてよ」などと仏前で言えるようになるまでには、随分と色々なことがありましたとさ。あ、今日もめでたしめでたし、で終われたわ(笑)

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最後まで読んでくださってありがとうございました(^^)/

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