姑との思い出~同居か否かは運命の分かれ道⁉

嫁の気持ち、姑の気持ち

結婚して、夫婦二人で新生活を始めるか、夫の親と同居して暮らすのか、その違いは嫁にとってはあまりに大きい。
それなのに自分の希望が叶わなかったり、自分の意志では選択できないケースはいくらでもある。

私は両親と祖父母と同居という三世代家族で育ったため、母の苦労や我慢を幼い頃からずっと見てきた。今時とは全然違う、随分と封建的で母は苦労が絶えなかった。
だから結婚して、もしも夫の親と同居したら間違いなく自分は辛い目に合うし、苦労すると思っていて同居に対しての良いイメージなどなかった。

それなのに私が結婚する時は、本当にギリギリまでどちらになるか分からない、自分では決められないという状況だった。

もう25年以上も前のことになるが、夫と結婚する半年ほど前に姑は、転んだ拍子に頭を強く打って脳挫傷となり、入院した。

入院した当初何日間かは、思うように言葉を発することさえ出来ないくらいだった。
お見舞いに行くと、それ迄の元気な様子とは変わり、ベッドでぼおっとしている姿を目の当たりにしてショックだった。
まだ気心がしれないうちはお互い緊張感はあったけれど、姑は決して意地悪な人ではなく、楽しくお喋りをすることが好きな人だった。

医師の見立てでは、脳挫傷の程度と今の様子から今後も後遺症が残ったり、このまま言葉が出ない状態が続くかもしれないとの話で、いつ、どのくらい迄回復できるかもはっきりしなかった。

幸い姑は徐々に回復し2週間ほどで退院はしたものの、以前の様に家事をこなせるというほどではなかった。

調度その頃に結婚を控え私は会社を退職したので、頻繁に夫の実家まで家事の手伝いの為に通うようになった。
結婚の予定までまだ半年近くあるのに、エプロン持参で車で1時間半かけて通い、洗濯、掃除、買い物、料理、時には姑の病院への送迎をしたこともあったと思う。

けれどそんなことが2カ月も続いた頃だっただろうか、「流石にこれはキツイな
と実感した。
要するに私は結婚を控えて「良いお嫁さん」と思って貰えるように、無理をして張り切って頑張っていただけだった。

幸いなことに姑の様子は日ごとに回復して、その頃には、ほぼ元通り、会話も日常の生活も問題なくなんでもやれるようになっていた。

そして私の最大の気がかかりは、結婚後夫のこの実家で同居するのか、夫と二人で新生活を始められるのか、という事になった。現状は姑の回復の様子見という状況で、自分からは何も言い出せなかった。

姑が入院して一大事となってからは、同居するしかない、と一旦は腹を括っていたが
結婚前から頻繁に夫の実家に通い、実際に家事を手伝ってみて、これは案外しんどいことだと実感した。
それが例え夫となる人の家だとしても「慣れない家に入って」というのがまず大きなポイントだと思う。
自分が選んで買った家財道具があるわけでもなく、当然姑の洗濯機や掃除機を使う。
キッチンの食器棚には山盛の食器が収納されている、というか押し込まれている状態で当然それを使うし、キッチンの調理器具だって全て何でも揃っている。
何でも揃っているので、同居するなら私が用意するものはほとんど何もないくらいだった。
でも、だからこそ余計結婚生活への夢も憧れも失ってしまう。
自分の思うようには何一つならなくて。
自分が気に入って選んだものに囲まれて生活することに、誰だって憧れる。

夫の実家で同居するということは、いきなりアウェイに放り込まれることだ、と痛感した。

本音では、夫の実家で専業主婦として暮らすのは私には絶対ムリだと思った。

けれど、義父母にとっても結婚前から嫁と同居したらこういう生活になる、というシミュレーションができたことで、お互い気も使うしいずれ同居するにせよ、最初は二人で新婚生活をさせてやった方がいいのではないか、という結論に至ったようだった。めでたしめでたし(笑)

そしてそれから、夫は早くに亡くなったので結局そのまま同居したことはない。
けれど同居でないというだけで、当然関わりはずっと続くし長男の嫁として私もそれなりに色々と頑張ってきました(^^;・・・

だから同居している友人、知人のことを皆、よくやっているなぁと尊敬してしまう。
私には未知の世界だけれど、皆口を揃えて言うのは
ずうっと、気を遣うことなんかできないから、だんだん何とも思わなくなるよ、お互いね。コツが掴めるようになるから大丈夫」
と。
なるほど、きっとそうなのだろうと思う。そうでなければ毎日クタクタになってしまう。

でも、自分ができなかったことを息子の嫁に望む気持ちはないので、私はこの先息子が結婚しても「お一人様」が気楽でいいと思っている(笑)

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