ラッキーを見送って今、思うこと

犬との暮らし

息子にせがまれて犬を飼うことを決めたのは、2006年1月のこと。
当時息子は小学1年生。
夫が早くに亡くなって4年が経つ頃のことで、息子と私、二人きりの生活に慣れてきたとはいえ、幼い息子はどうにも精神的に不安定だった。

犬を飼うことが、元気に楽しく暮らしていけるきっかけになればと思って飼うことに決めて、ペットショップで出会ったのが先日お空へ帰っていったパピヨンのラッキー。
18歳間近まで長生きして、ずっと私たち親子と一緒に暮らしてくれた。

2006年当時はインターネットは普及していたけれど、スマホもないし、なんでもサクサクッと検索して調べられるような時代ではなくて、図書館で犬の飼い方の実用書を何冊も借りて息子と相談をした。
私はパピヨンが断然良かった。
愛くるしい顔に大きな耳とキラキラした飾り毛。しっぽもくるりん、として。
華奢な身体なのに、どこか優雅で堂々とした感じにも惹かれて。

初心者の私には小型の愛玩犬でないとムリだろうとも思っていた。
本当のところは、息子のために物凄い覚悟をして飼うことに決めていた。
犬を飼うのは初めてで、散歩や躾、お世話をちゃんとして、幸せに育ててあげられるか自信がなかったから。
それでもあの時は息子のために必死で、犬を迎えて大事に育てていくことに希望を感じ、何があっても途中で投げ出さないと決心した。
だから犬を迎えることは、私にとっては楽しみやワクワク感よりも、これから大きな責任を負う気がして不安だった。
そんなに思い詰めてよく決めたよね、と今では不思議。

いざウチに迎えると、どう接するのが良いか戸惑うことばかりで、手のひらに載ってしまうくらいの可愛らしい仔犬相手に、おっかなびっくりの毎日が始まった。

けれどラッキーを迎えたことで、息子と私の一対一の関係に変化が生まれた
それまで、100%で向き合っていたのが、私の気持ちも、息子の気持ちもラッキーに向いて分散することで、むしろお互い風通しがよくなったのだと思う。
そして大人になってからのラッキーは、私たちの話を聞いてくれるようになっていった。

解決にならないのだとしても、話かけながら、頭を撫でるとそれだけで気持ちは安らぐ。
にこにこと笑って、笑顔を見せてくれる。
すると明るい気持ちになって、頑張ろう、と心が前向きに動いた。

本当によく分かっているなぁと驚かされることは、何度でもあった。
それは特に、精神的につらいこと、ショックなこと、シンドイことが起こった時。
あぁ、私の気持ちを分かってくれるんだね、と思えることに何度となく救われた。
私も、息子も、そうして時に物言わぬラッキーに寄りかかった。

でも困ることだって、たくさんあった。
吠えてはいけないよ、ということを上手く教えてあげられなかったのは私の甘さなのかしらん。

結構酷くて、5~6歳の頃はトレーナーの先生から訓練を受けた。
ラッキーは先生のことが大好きで先生のいうことには、素早く反応して、そもそもムダ吠えもしない穏やかなとてもヨイ子。マテ、コイ、マワレ、トベ、 コマンドを覚えて楽々こなした。
先生曰く「ラッキーは分かっていて、やんちゃしているだけ」・・・(^^;

生活の中でちゃんと叱る、しっかりと褒める、ことでルールを分からせることが大切なのだろうけど、実践することは私には難しかった(^^; ホントに。

「まぁ、お母さんならこのくらいはいいか・・・」って感じだったと思う。
パピヨンは可愛いだけでなく、賢い。いつも状況をサササッと察することが得意。

長い時間留守番をさせてしまうことは、何より辛かった。息子は高校までテニスを続けて、コートへの送迎や、試合にもできる限りは連れていった。結局どこにいてもラッキーのことが気になって、すっ飛んで帰ることが習慣だった。
たくさん一緒にいられて、しっかり遊んであげられる環境がワンコたちには望ましいと思う。
でも、色々な事情で理想の通りではないのだとしても、
それでも、ワンコたちは、こちらのライフスタイルに合わせてくれて、そのウチの子になっていくのだと思う。

大きな病気やケガもなく寿命を全うしてくれて、長い年月の関わりに、愛おしさと感謝しかない。「あぁ、もういないんだ」と思うと心がスーッとするのには、まだ慣れないけれど。

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