とんとん拍子に売れた夫の親の家。
売り出し開始後、わずか数日で内見予約が入ったことに驚いていたら即決で、
こちらの気持ちが追いついていかないくらいだった。
何しろ築50年の古い家。
私の夫が小学校に入学する直前に建った家だ。
静かな住宅街にあることだけが取り柄で立地は決して良くない。
最寄り駅、スーパー、病院、どこへ行くにも車は必須。
おまけに高齢化が進んでいて、市内でもちょっと寂しいエリア…
それなのに、なぜ売れた?(笑)
不動産会社からは
「暫く売れなければ、値段を下げていけば大丈夫。そんなに長くかからないと思いますよ」
と。
半信半疑の私に
「こういうタイプの家は一定の需要がありますから」
とも・・・
義妹とは「そんなにすぐには売れないよねー」と笑っていたのに
蓋をあけてみれば、あっという間の出来事だった。
その理由は振り返ってみるとこの2つかなぁと思う・・・(^^
①欲がなかったこと。
家の維持費が要らなくなることと管理の手間がなくなることが一番大事で
撤去費用や仲介手数料などの諸経費を差し引いて赤字にならなければそれで良し
と考えていた。
少しでも高く!と欲を出さず、値引きに応じたことがすんなり決まった理由の一つだと思う。
好立地の物件とか、都会のマンションとか築浅の豪邸とか
そもそも不動産の価値が高いなら、そういうわけにはいかないだろうけど、
ウチは片田舎の古~い一軒家。
誰かに住んでもらえるだけで有難いと最初から割り切っていたことが良かったのだと思う。
②家の売却に関わる全員の意見が一致していること。
結局これが一番大事だと思う。
誰か一人でも考えが違えば話は進まなくなる。
一旦揉めれば長引くし、身内の間で後々までわだかまりが残ってしまう。
相続が争族になるのはよくあることとはいえ、悲しくて苦しいことだと思う。
ウチの場合は夫も夫の弟も早く亡くなっているから代襲相続になる。
つまり、この家の法定相続人は
私の息子と夫の弟の娘
の二人。姑からすれば二人の孫。
二人とも既に社会人だけれど、この件は母親である私と義妹に任せますというスタンス。
姑のエンディングノートには家は夫の弟の娘に相続させる旨が書かれていて
そのことは生前姑から何度も聞いていた。それが相続人である孫二人にとって平等な方法だったから皆納得していて誰も不満はなし。姑がハッキリと決めておいてくれたおかげで意見が違って困るということにはならなかった。
*夫1歳、姑と舅 昭和44年頃
それでも私には長男の嫁として、義妹だけに親の家の後始末をさせるわけにはいかないという責任感から、片付け、相続手続き、売却と最後まで一緒に関わりたいという思いと
義妹とは良い関係のまま円満にコトを終わらせたいという気持ちがあった。
義妹とは性格もタイプも全然違うけれど縁あって同じ家に嫁いで、
私たちは長い間、同じ嫁としての立場で理解し合い、助け合ってきたから。
義妹の計らいで売買契約の後も引渡しまでに1カ月くらいの猶予がもらえて、
その間に十分思い出に浸って家とのお別れもちゃんとできた。
寂しい気持ちはありつつも、無事に親の家を終うことができて
安堵の気持ちに包まれている。
ここまでこれたのは義妹と家族皆のおかげ。
もう、私たちのウチではなくなったけれど、たくさんの思い出を持ち帰ることができた。
どれもがとても温かい。
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