少し前に内館牧子さんの著書「終わった人」を読んで、「夫の定年」についてブログを書きました。
私の夫は早く亡くなったので、もう定年を迎える日は来ない。
でも、夫に定年を迎えさせてあげたかったなぁ、と思っている。
定年退職する日が来たら、夫は凄―――く喜んだと思う。
そして、絶対に再就職なんて考えず、自分の思うように好きなことをして、もう働かなくて良い毎日を謳歌したと思う。仕事への未練なんてゼロ。社会的な地位とか立場にも興味なし。
趣味が多くて、ウチにいても退屈とか手持無沙汰ということにはならなかったと思う。
そんな定年後の様子を見たかった。そうさせてあげたかったなぁ、と思う。
夫は銀行員でシゴトはとてもハードだったから。
一昔前のドラマ、「半沢直樹」の中で描かれた銀行員の世界は、ちょっと大袈裟な部分もあったけれど、でも、そこそこリアルだったと思う。
銀行員に限らず、会社勤めのサラリーマンは誰もがハードワークで、きっと同じような悩みや苛立ちを抱えて働いていると思う。
①給与が安い
②上司が無能、その上正しい評価がされない
③仕事量が多い、その上、不平等
④通勤が大変、希望の勤務地じゃない
サラリーマンの4大苦悩は、このあたりかしらん。
この苦行を40年の長きにわたり続けて、ようやく定年の日を迎える。
だからできることなら、第二の人生はもう、自分の思うようにさせてあげたいと思ってしまう。
イマドキ、人生100年時代とか。100歳はないとしても、健康寿命は楽々70歳を超えて75歳くらいかな。
実際、60歳とか65歳で定年退職してそれ以降仕事をしないと、暇を持て余してしまう。
自由すぎることが却って不自由なようで、シゴトを探してみても、納得できるような、再就職先を見つけるのは難しい、というのが厳しい現実のよう。
定年後の人生といって、私の頭に浮かぶのは、「人生の楽園」
土曜日の夕方に放送されているドキュメンタリー番組「人生の楽園」、コレです。
50代から70代くらいのご夫婦の第二の人生が毎週紹介されている。
多くは心機一転、趣味と実益を兼ねた新しいコトにチャレンジして、長年の夢を叶えたお話。
故郷に戻って農業にいそしんだり、田舎暮らしに憧れて、古民家をリノベーションして移住したり、夫婦二人でカフェやパン屋さんなどお店をオープンしたりと様々。
人生を折り返し、終盤にさしかかって尚、イキイキと新たな挑戦を始めていることに、観ているだけで不思議と勇気づけられる。
そこにはサラリーマン時代とはまるで違う、好きなことに没頭できる自由な毎日がある。
そう、タイトル通り「人生の楽園」そのもの。
定年を迎えてリタイア後の人生が「人生の楽園」になるなんて素晴らしい!
美しい風景や美味しい食べ物も紹介されるこの番組が私は大好き!
「人生の楽園」はもう長―く放送されていて(2000年10月~)、夫とも一緒に観たことがある。
その時夫は「あぁ、こういう生活いいなぁ」としみじみ言っていたっけ。その時のことを良く覚えている。だから今でも、定年後の自由な生活を満喫させてあげたかったなぁと思う。
何もかもが自由なことを、不自由とは思わないような人だったから。
夫の定年が夫婦にとって「人生の楽園」の始まりなら、こんなに幸せなことはないよねぇ・・・幸せ過ぎて、あれ?もうあの世にきちゃったかしら?って思うかもね(笑)
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