「万太郎」は心から草花を愛し、植物学の道を探求して行くことが自分の使命だと思っている。それは観ているこちらに何度も繰り返し伝わってくる。
そしてその道に進むためなら家を捨て東京に出てきたように、がむしゃらでアツい気持ちがあるがそれ以外の事、例えばお金にも無頓着だし、そもそも生活能力があるようには到底思えない。
家を捨てて東京に出て来たのに実家を頼りにしてどこか甘えている所もある。
けれど、こと「寿恵子」に関してだけはちょっと違って思い悩んだりもするようで面白い。
その頃、税収が必要な政府が酒を造った時点で税金がかかるよう制度を変えたことで酒蔵はどこも苦境に立たされ、「峰屋」でもそれは同じであった。
お役人が大勢やって来て店のあちこちを調べていく様子は随分理不尽で惨い。
「トキ」が胸を押さえて「ちくっとしただけ、万太郎には知らせるな」と言っていたことが気にかかるけれど、それも心労からだろうか。
「綾」が「トキ」に優しく寄り添うシーンは印象的だった。
植物学雑誌の創刊を夢見る「万太郎」だったがそれにはまず「田邊教授」の許しが必要だった。ある日「田邊教授」から室内演奏会に誘われて許可を貰う絶好のチャンスを得る。
「寿恵子」の母「まつ」は男にすがって生きていくような娘にはしたくない、と心配をしていたが、結局、実業家「高頭」に見初められた「寿恵子」は断り切れずとうとう鹿鳴館でダンスを習うことになった。
そして「高頭」主催の室内演奏会の場で「万太郎」と「寿恵子」の二人は偶然その場に居合わせ驚き見つめ合うのだった。
「なぜ、ここにあなたがいるの?」と。
「とにかく、とにかく、綺麗じゃ」とドレス姿の「寿恵子」を眩しそうに見つめて褒める「万太郎」
演奏されたThe last rose of summerという曲の歌詞を
「愛するものなくして誰がたった一人生きられようか」と訳して「寿恵子」に教える「万太郎」だったが
「高頭」に抱きかかえられ連れていかれてしまう「寿恵子」の様子を目の当たりにし、どうしようもできずただ嫉妬するだけだった。
これまで植物の研究を始めれば他のことはかき消えたはずなのにどうにも「寿恵子」のことがモヤモヤと頭から離れなくなった「万太郎」
長屋の皆に「恋をすると綺麗なままの気持ちではいられない」とはっぱをかけられ「白梅堂」に思いを伝えにいく「万太郎」だったがあいにく「寿恵子」は不在だった。
それでも、母「まつ」にしっかりと気持ちを伝えた。
自分にはやるべきことがあって、それを全力で大急ぎでやり遂げたらまっすぐに走ってお嬢様を迎えにきます。間に合わなかったら諦めます。暫くはここには来ません。と。
そして、来週の予告で「寿恵子」は
「牧野さん、待つのやめる」って言っていた!
おまけに「高頭」にもプロポーズされてた!
「高頭」は奥さんいるんでしょ!って思ったけど、この頃は妾として迎える、ということがフツウにできたのね。妻に断りもなく妾を迎えていたのかしら。
それとも妾の存在は内緒にしていたの?ひょっとして事後報告?
ホント、どっちにしても変なの~と思う。
明治時代の女性は色々とツライことが多い、多すぎる!自由になる事なんて何もない。
それにしても「万太郎」が大急ぎで成すべきこととは何だろう?
雑誌を創刊すること?それとも西洋に後れをとっている日本の植物学の道を切り開いていくこと?いずれにしても容易い事とは思えずある程度年月がかかりそうだ。
「寿恵子」の気持ちもちゃんと「万太郎」にありそうで二人はどうみても「イイ感じ」なのにやっぱりすんなりとはうまくいきそうもない。
まぁ、結婚したところで「寿恵子」の苦労はその後永遠に続くのが透けて見える気がする(笑)
何か一つの事が好きで、それに夢中になって拘り続け、心に決めた道や夢がある人と結婚すると、相手の夢が叶う事が自分の幸せと思えなければその結婚は不幸なものになってしまうと思う。
そして相手を信じついて行くことで、とことん苦労させられてしまう。
「万太郎」の抱く夢が「寿恵子」の夢そのものになる日はいつだろうか。
生活力のなさそうな「万太郎」と結婚するより、「竹雄」の方が実直で真面目で働き者で尚且つ超絶イケメンでずうっと幸せになれそうなのに。ね~
この物語はそんなふうにはいかなさそうだ(笑)
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