姑が亡くなり、夫の親の家が空き家になって1年半あまり。
この間、車で20分ちょっとの親の家に何度も通った。
初めのうちは家の中に入ると、今にも姑の声が聞こえてくるような気がしたのに、
最近は不思議とそういう感じはなくなった。
住む人のいない家はぬくもりがなく、ただものが置いてあるだけの無機質で殺風景な空間に変わっていく。
花ひとつ、食べる物ひとつ、ここにはないのだから、命のぬくもりがないのは当たり前のことか・・・
親の家とはいっても、ここは、もう正真正銘の「空き家」になってしまった。
これで「売却中」の看板が立てば、いよいよそれらしくなる。
それを寂しいとか悲しいと思う気持ちはあるけれど、姑が亡くなってから年月が経ったことで受け入れられるようになってきたと思う。
静まり返った居間に入ると、息子と二人で毎週末ここに来ていた頃のことが思い出される。
畳の部屋一面にプラレールの線路を作って機関車を走らせている幼い息子と、それを嬉しそうに見つめる舅の様子。
姑は何でも大切にとっておく人だったから、この家には夫と夫の弟の子供時代の玩具がたくさんある。
舅は孫(私の息子)を喜ばせようと、レトロな昭和のおもちゃを次々と出してくる。それが息子にとっては目新しいようで、野球盤ゲームとか、芝に見立てた大きな布製のマットがついたゴルフセットは息子のお気に入りだった。
ひとしきり遊びが済むと皆で夕食の時間。
嫁の私は当時息子が好きだったドライカレーや炊き込みご飯を姑と一緒に作った。
何度も何度もここで料理をし、団らんの時を過ごした。
自分のウチに帰るといつも心底ホッとしたのに、この親の家も私にとっては大切な居場所だったのだなぁと今更ながら思う・・・
さて、不動産屋での査定が済んでからは、名義変更の手続きをして正式に媒介契約を交わしていよいよ売り出しがスタートした。
とはいえ、市内でも交通の便が悪く、住民の高齢化が進むエリアの、見た目にも渋い築50年のこの家。
どうひいき目に見ても、この物件にこれといった魅力は・・・ない(^^;
だからそうカンタンに売れるとは思っていない。
売れなければ、段階的に価格を下げればそのうち売れますよ・・・
と話を聞いたけれど
さてさて、一体どうなることやら?
義妹と私の手には負えなかったもの、要するに大半のものが今も残されたままで、
買い手が決まり次第、業者による撤去作業が始まる予定。
階段が狭くて通らず二階の窓まで釣り上げて搬入したという曰くつきの大きな机をはじめ、ベッド、本棚、食器棚、テーブル、飾り棚などの家具。
押し入れにぎっしり入っている布団類。
電化製品。大量の本、食器、衣類、人形・・・・などなど。
見積もりをみると、6人態勢で3日間での片付け作業になるもよう・・・(^^;
一軒家の中、丸ごと全部片付けます、の見積もり金額は想像通りの結構なお値段でした。
当面は諸経費を差し引いて赤字にならないようにと祈る日々です(笑)
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