先日図書館に行った際、ふと思い立って幼児向けのコーナーに立ち寄った。
息子が幼い頃に好きでよく借りた絵本のシリーズは懐かしい。
そんな中で目に留まったのは「はじめての百人一首」
高校一年生の冬休みに百人一首、百首全部丸暗記!という宿題が出されて
必死に覚えたっけ・・・
ちょっと読み返してみよう、とこの本を借りた。
本を開いて驚いた。ずらりと並ぶ百首の歌。
やだ~、結構まだ覚えてる~っ!
半分くらいはイケる感じ。初めて感は全然ない。知ってる、知ってる、意味も分かる~。
高校生の頃って記憶力のピークだと思う。その頃しっかりと覚えたことはまだ脳のどこかに沁みついて残っているんだ。
今は「あれ?私、歯磨きしたっけ?」って、ついさっきのことが分からなくなるのにね。(笑)
私が通った高校では百人一首、百首全部丸暗記
という課題は、毎年1年生の冬休みの宿題として恒例となっていた。
冬休み中に百首丸暗記、休み明けにはテストも行われるという。
配られたテキストをぱらぱら眺める。わりと見やすい。
ふうん、どうやって覚えようかな~
冬休みは約2週間。部活もあるし、他の科目の宿題もある。
お正月は休みの日も欲しい。テレビも見るよね。となるとスケジュール的にはキツイ。
私はとにかく毎日10首づつ暗記することに決めた。
10首覚えるのにだいたい1時間くらいかかる。
覚えて10首ちゃんと暗唱できたらその日はお終い。
翌日2日目はまず、昨日の復習。10首暗唱する。
それができてから、次の新しい10首を覚える。
覚えたら20首ちゃんと暗唱できるまで繰り返す。
3日目はまず、昨日までの復習。20首暗唱する。
それができてから次の新しい10首を覚える。
覚えたら30首ちゃんと暗唱できるまで繰り返す。
4日目・・・
以下同文(笑)
5日目・・・
以下同文(笑)
6日目・・・ようやく折り返し!
このあたりで毎日の繰り返しのおかげで最初の10首20首あたりは、スラッスラに言えるようになってくる。
そこで、最後にまとめて暗唱する時の順番を変えるなど工夫する。
どれもちゃんと覚えられるようにね。
7日目
暗記だけでなく復習に費やす時間が長くなってくる。
覚えた数が増えているので、70首全部暗唱するのにはそれなりに時間がかかる。
ここが頑張り所。
8日目
何かしながらでもひたすら暗唱を繰り返す。
10首覚える1時間は辛いけれど、復習して暗記できていることが嬉しくなってくる。
9日目
ゴールはすぐそこ!
なんとか冬休み中に暗記できそう。
毎日の繰り返しでスラスラ言えるようになってきた。古語の独特の表現にも馴染んで素敵に思えてくる。韻のふまれている歌はセンスがいいねとか思えたりする。
10日目
いよいよ最後の10首を暗記する。
何度も繰り返し、何度もテキストを読み返し歌の意味も理解した。
とにかく100首の丸暗記をした!感動!
冬休みの残りの日は毎日100首を暗唱。
新たに10首覚える、はもうないのでどんどん確実にしていくだけになった。
あ~楽だわ・・・って思ったと思う。
冬休み明けのテストは上の句と下の句を結び付けるとか、一部空欄になっているところを埋めるとかそんな優しい問題ではなく
上の句が書いてあれば、下の句を全部記述する
下の句が書いてあれば、上の句を全部記述する
という記述問題で100首とも出題された。テストは無事合格。
ずうっと百人一首をそらんじることで、いつからか和歌の魅力に惹かれていた。
その歌の意味やその歌を詠んだ人の気持ちを理解すると、五・七・五・七・七のたった三十一字の中で表現して、尚且つそれが現代を生きる人にも伝わるって凄い!と思った。
当時「いいなぁ、コレ好きだなぁ」と思った歌はたくさんある。今読み返しても、また同じように良いなぁと思ったもの二つ。
逢ひ見ての 後の心に 比ぶれば 昔は物を 思はざりけり
↑説明不要です・・・
このせつない恋心が現代でも共感できる、ってところがやっぱり凄いと思う。
春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣干すてふ 天の香久山
山の美しい木々の緑と真っ白な衣装の対比が初夏らしく爽やかで、鮮やかな色が目に浮かぶ。私も初夏の季節が一番好き。「きにけらし」という言い回しもなんだか素敵。
高校生の当時、若くてとてもキュートな先生から古典を教わった。余談が多かった。
でもその余談があることで、平安時代の恋愛事情を詳しく知ることができ、それにより歌の意味がよく理解できた。
今も心に残る古典の授業のエピソードが私の中にはいくつもある。
先生(^^)/
夜が明けきらぬうちに女性の元へ届ける後朝(きぬぎぬ)の文は、今時は後朝(きぬぎぬ)のLINEになりましたね~(笑)いやぁ、便利だわ(笑)
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