さて、前回ブログで息子が保育園入園前に、子育てサークルに入っていたことを書いた。そこでの体験はなかなか濃いものだった。
それは既存の子育てサークルではなく、母親の為の託児付き市民講座で知り合った人たちと一緒に立ち上げたサークルだった。
子供同士が楽しく遊べ、情報交換やお喋りもでき、何より母親がリフレッシュできるような活動内容にしようと皆意欲的だった。
「公園デビュー」という言葉があるようにママ友との付き合いを煩わしく感じる人もいるだろうが、私は人との関わりは元々そう苦に思わない方だったし、子供のより良い育ちを優先に考えていた。
母親達は何かしら特技を持っている人が多く、ピアノ、歌、絵やイラストの達人だったりした。そしてその特技は活動の中で存分に生かされ子供たちをいつも喜ばせた。
私はピアノは弾けないし、音痴だし、絵心はないしで活躍できる場面はなかったが、ある時子育ての専門家の方をお招きして講演会を開くというイベントを企画したことがあった。
サークルの中には元々は保育園の先生という人もいて、その方のご縁での講演会だったように思う。
これまで大してお役に立てなかったのでこんな時くらいはと、講演会当日の進行台本を作り、当日は司会を務めた。講演会といっても少人数の集まりで先生のお話を聞いてその後質問コーナーを設けるという内容だったが、大真面目にパソコンで台本を作った。
それは、子育て中心の生活だった当時の私にとっては、独身で仕事をしていた頃の事を思い出すような懐かしく非日常的な体験となった。
私に限らず他の母親達にとってもそんな風に子育てサークルが自分の得意な事を披露できる場となり、皆何かしら役割を見つけることで生き生きと活動し、お互いを褒め、認め合った。
集まって子供同士遊ばせ母親同士もお喋りを楽しむというだけの育児サークルには留まらず、子供を育てる中で自分も何かしら成長していきたいという意欲で繋がっていたように思う。
家事と育児が中心の生活では、物足りなさを感じたり、自己肯定感も低くなりがちだが、サークルの活動を通して少しでも社会と関われているような気分になれ、生活に張り合いが持てた。
昨日と今日、今日と明日が代わり映えのしない日々に思えたとしても、この子育ての期間が永遠に続くように思えたとしても、過ぎてみれば案外早く通り過ぎて人生のほんのひと時の出来事の様にさえ感じる。
リュックの中には着替え、オムツ、おしりふき、飲み物、お菓子、タオルを入れて、いつも帽子を被り、デニムにスニーカーを履いて出掛けたあの日々。お洒落心なんて完全に封印していたあの日々は誰にとっても永遠のものではない。
さて、街で見かける今時のママ達は皆オシャレで綺麗に見える・・・どうしてあんなに余裕がなかったんだろう・・・私は(^^;