ドラマsilent、あっと言う間に後半です・・・
毎回感想を書くつもりもなかったのですが・・・
早くもロスに怯える程ですから・・・（笑）書かせてください・・・
私がこのドラマに惹かれる理由の一つに「ナチュラルさ」があると思う。
よ～く練られて作りこんであるのに全部「自然」に感じる不思議。
今時の５０代は２０代でトレンディードラマ黄金期の名作をたくさん観たことで好みも結構煩いが、silentに関しては文句なしの違和感なし。ひたすら隅々まで素敵で素晴らしい。
セリフの一つ一つもそうだし、登場人物の感情や行動、どれも共感できて納得できる。
想像を超えてくる事があっても、後になって「あぁ、あれで良かったんだ、なるほどね～」と思えてしまう。
例えば「想」と「紬」はいつの間にか「自然」に二人で会うようになっていた。
どちらかが決定的な何かを言ったわけでも、気持ちを確認し合ったわけでもないのに。
二人にとってはまず会うことが自然なことなんだと視聴者には分かる。
最初からハンディについてどうするのか、という苦悩はない。
うん、私もそれに凄く賛成。
６話の冒頭は「奈々」と「想」の出会いの回想シーン。
耳が聴こえなくなりつつある大学生の「想」はろう者・難聴者向けの就活セミナーでろう者の「奈々」と出合った。
「奈々」は「想」にとって初めて不安な気持ちを「聞くよ」と言ってくれた人だった。
「想」は
ただ誰かに聞いてほしかった。静かに話だけ聞いてほしかった。不安だってことを。
言葉にできない不安。苦しかった、それだけ
そう言って泣いた。
「奈々」は
私は生まれつき耳が聴こえない。でも幸せ。音のない世界は悲しい世界じゃない。
私は生まれてからずっと悲しいわけじゃない。悲しいこともあったけど嬉しい事もいっぱいある。それは聴者もろう者も同じ。あなたも同じ。
そんなふうに「想」に伝えた。
でも「同じ」だと言って貰って安心したのに、聴こえる人とも、聴こえない人とも距離をとった。でも近づいた今もう離れたくない。
という「想」の現在の想いがあって「紬」の笑顔が映し出される。
「想」は「紬」と離れたくないんだ、もう。
「紬」もまた「想」にかかってきた電話の相手が気になる様子で
「高校卒業してできた唯一の友達」と「想」が言った言葉に
「ホントに友達？」と思わずつぶやいた。
お互いの気持ちをちゃんと確認しなくても「想」と「紬」はもう、惹かれ合っている。
惹かれ合っているというのは不自然なくらいで「想」の耳の病気の事があって８年間離れていただけで、元の二人に戻りつつあるという表現の方がしっくりくる。
手話の先生から「想」のことをどんな人ですか？と聞かれた時の「紬」のセリフが私はこの6話の中で一番印象に残った。
「好きな言葉をくれますね」
それは、耳が聴こえなくなった今では、手話やスマホを通しての会話だったとしても、「紬」にとっては「想」の言葉は他の誰とも違って特別だ、ということだ。
高校生の頃のたわいない会話でも、今の手話でも同じように「想」の言葉が好きなんだ。
これが「紬」が「想」でなければならない理由。
「湊斗」君も言っていたように、「想」は耳が聴こえなくなったというだけでそれ以外は「想」のままで何も変わっていないということだろう。
「想」は「紬」に「奈々」のことを
凄く大事な人、だからちゃんと向き合おうと思っている、と言った。
ずっと奈々の気持ちを無視して曖昧にして来たけれど・・・
可哀想に思って優しくしてくれるだけ！
迷惑かけるよ！
あの子に聴こえない想君の気持ちわかんないよ！
言い合いになって店を飛び出してしまう奈々。
翌朝、絶望の中で「奈々」は目覚め「紬」に会いに行ってしまう。
生まれつきのろう者といっても「奈々」も好きな人の声が聴きたくて
片方の手は好きな人と繋いで、もう片方の手は綺麗なバッグを持ってお喋りしながら歩くそんな当たり前の事への強い憧れがあった。
いつもは手話で話すために、リュックを背負って両手をあけているのだけれど。
綺麗な青いバッグが奈々の憧れの象徴として描かれていた。
青色の小さなバッグは美しくて、可憐で、普段のリュックとの違いが歴然で・・・それがとても哀しい。
「想」はかつて
奈々と手話だけで話せるようになるのが目標。奈々にだけ伝わればいいから。
と言っていたのに。
奈々の恋は叶いそうにない。
「奈々」が「想」にぶつけた強い言葉は、かつて奈々自身が体験した聴者との恋そのものなんだろうと思った。
相手に迷惑をかけるようになる。
可哀想に思って優しくしてくれるだけ。
聴こえない気持ちはわからないよ。
どれも「奈々」の経験から生まれた言葉なんだ。
そしてその時の恋のお相手がきっと・・・ほら・・ドラマをご覧の皆さんはお気づきですよね・・・
あ～なるほどね～。深いわ～。
よし！もう１回観ようっと（笑）
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