おひとりさま、親の家を終う~夫に先立たれるということ

おひとりさまの暮らし

息子が自立しておひとりさまの生活が始まって4か月余り。
いつの間にかひとりの暮らしに慣れました。

ふと寂しさにおそわれる時はあるけれど、気を紛らわすコツもつかめてきたし、
なんといっても気楽さがいい。

ただ・・・現在57歳の私。
これから先ずーっとこのおひとりさまの暮らしが続くかと思うと
なぜだかゾゾゾーっとする(^^;

ゾゾゾーっとする原因は深追いしたくない・・・(笑)

それにしてもアラ還とはいえ
50代からおひとりさまなんて早すぎる!長すぎる!

夫婦の場合、大抵は先に夫が亡くなり妻が後に遺るケースが多い。
晩年夫の介護があるにせよ、ないにせよ、妻は最期まで夫のためにあれこれと尽くしてきたはず。

だから夫が亡くなると妻の生活は一変して自由になる。
そして皆、解放感の中で羽が生えたように生き生きと伸び伸びとおひとりさまの暮らしを楽しむようになるらしい(笑)

小綺麗にしてあちこちお出かけや旅行を満喫して、むしろハツラツと元気になる人も多いときく(笑)

夫を送り出した妻は、初めて手にした自由にるんるん♪と心が弾むのだと思う。

その気持ち、よーく分かります・・・(^^

でも、私の場合はあまりにも早く夫が亡くなったので
「羽が生えたように生き生きと伸び伸びと」のくだりも
「小綺麗にしてあちこちお出かけや旅行を楽しむ」のくだりも体験できないまま。

当時3歳だった息子を育てるのに精一杯の日々でした・・・
そして怒涛の20年以上が過ぎて息子は自立し、気づけばおひとりさまの暮らし。

ポツン・・・

そこには解放感も、初めての自由を満喫するようなウキウキ感も特になし・・・(^^;

むしろ、今になって夫のことを思い出すことが増えた。

夫の話を聞きたいと思う。
夫に話を聞いてほしいと思う。

私たちは会話の多い夫婦で
夫はいつも私の知らないことを分かり易く教えてくれる人だった。
そして、目から鱗のようなアドバイスをしてくれる頼もしい人だった。

もしも、今もずっと一緒だったら私たちはどんな50代の夫婦になっていただろう。
心細さからか、ふとそんなことを想像してしまうこの頃。

姑が亡くなって以降、空き家になっていた夫の親の家。
売り出し後早々に買い手が決まり
正式な契約手続きも済んで今月末にはいよいよ引き渡すことになっている。
本当にあっという間の展開。

安堵の気持ちはありつつも、寂しくもあり
もう最後だから、と何度も親の家にいく。

「長男さんのお嫁さん」として覚えてもらい、
ご近所の皆さんにはいつも温かい言葉をかけてもらった。

姑と仲良しだったお隣さんとは顔を合わせる度に思い出話をしたけれど、
それももうできなくなる。

舅、姑、夫、夫の弟。
かつては4人家族だったこの家の主はもう誰もいない。
もうじき家の中のものは全部片づけられて空っぽになり、他人の手に渡る。

こういう人生の節目も全てひとりで体験することが
夫に早く先立たれるということ。

節目節目に湧く万感の思いを夫と共有することは叶わなかった。

だから夫に代わりこの家を終うことになった今、
夫の分まで寂しさを味わい尽くせば良いのだと思う。

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