朝早く姉からの電話で叔母が亡くなったとの知らせを受けた。
あまりにも突然のことで現実を受け止めきれない。
父の末の妹にあたるこの叔母のことがワタシはとても好きだった。
叔母が結婚を機に実家をでるまでは、幼い頃一緒に暮らしていた。
ワタシが4歳か5歳頃までのことなので、当時のことはあまりよく覚えていないはずなのに、鮮明に思い出す光景がある。
名古屋の百貨店に勤めていた叔母は、よくシゴト帰りにお土産を買ってきてくれた。
洋服、靴、おもちゃ、お菓子。
どれも百貨店でしか買えない上等な洒落たものだったと思う。
昭和40年代、幼いワタシが初めて目にする様なものばかりで、いつも驚きと嬉しさで大興奮だった。
百貨店の紙袋の前にじっと座って、今日は何が入っているのだろうとワクワクした。
中でも、
エナメルの黒い靴とフランスパンは幼いワタシに強烈なインパクトをもたらした。
そんな都会の輝きに溢れるプレゼントはいつしか叔母への憧れと羨望となり、
その思いはずっと変わることなく今もワタシの中にある。
告別式では、久しぶりに従兄弟たちとも会った。
入院から1週間というあっけない別れを思うと、従兄弟たちの深い悲しみは察するに余りある。
それなのに
「来てくれてありがとう。会えて嬉しい」
の一言につい涙が溢れた。
棺の中で静かに横たわる叔母に花を手向ける。このわずかな一時に一緒に過ごした長い年月の感謝をどうして伝えきることができようか。あんなに可愛がってもらったのに。
「ありがとうございました」というありきたりのコトバだけでは足りなくて
「ワタシの時はぜったいお迎えにきてよ~」とこっそり言った。そんなことを頼める人はそういない。きっと来てくれると思えた。
しかるべき時にお願いしたい次第です(笑)
おもいがけず寂しい師走になりました。
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